放射線の使用

2015年5月20日 | Mirion Technologies

原子力や核兵器以外にも、放射性物質とそれが放出する放射線が、多種多様な方法で世界中の人々の日常生活に役立っています。

煙検出器

煙検出器の中には、検出機構の一部として放射性元素を使用しているものもありますが、通常はアメリシウム241を使用します。アメリシウム241は、アルファ粒子の電離放射線を利用して検出器周辺の空気のイオン化の変化を引き起こし、測定します。空気中の煙による変化で、アラームが鳴ります。

医療

病院では、さまざまな方法で放射線を利用しています。X 線装置、CT装置、PET装置は、X 線（X 線とCT）やガンマ放射線（PET）を使用して人体の詳細な画像を作成し、医師や患者に貴重な診断情報を提供しています。放射性核種は、放射性ヨウ素などの病気を直接治療するためにも使用されます。放射性ヨウ素はほとんど甲状腺だけに取り込まれ、癌や甲状腺機能亢進症の治療に使用されます。放射性トレーサーと染料は、心臓ストレステストなど、特定の領域やシステムを正確にマッピングするために使用されます。テネチウム99mなどの放射性同位元素を使用して、血流が減少した心臓と周囲の動脈の領域を特定します。

レントゲン撮影

医療用、産業用レントゲン撮影カメラで使用される、基本的に高出力バージョンのX 線装置は、X 線やガンマ線源（イリジウム192、コバルト60、セシウム137など）を使用して、手の届きにくい場所や見えにくい場所を検査します。これは、溶接部の欠陥や不規則性を検査したり、他の材料を検査して構造的な異常や内部コンポーネントを特定したりするためによく使用されます。

また、産業用レントゲン撮影は、X 線手荷物スキャナーが日常的に使用されている空港などのセキュリティチェックポイントでの安全で非侵襲的なスキャンにも非常に役立ちます。同じ装置の大型バージョンは、世界中の輸送コンテナの検査によく使用されています。

食品の安全性

食品照射とは、放射能源を使用して食品を殺菌するプロセスです。放射線は、細菌やウイルスを死滅させることや、DNAやRNAに深刻なダメージを与えることで増殖能力を失わせることができます。中性子線を使用しないため、残った食品自体が放射能に汚染されることはなく、安全に食べることができます。この方法は、食品包装、医療機器、製造部品の殺菌にも使用されています。

システム選択ガイド

Mirionでは、アプリケーション、ソフトウェア、ハードウェアに基づいて、お客様のニーズを満たすための製品選択ガイダンスを提供しています。

スペクトル分析

放射性崩壊は時間的にランダムに発生するため、与えられた時間内に検出されたイベント数の測定は正確ではなく、不確実性を持つ平均値を反映します。より良い平均値は、より長い時間でデータを取得することで得られます。

中性子検出と計数

中性子には質量がありますが、電荷ありません。このため、検出器でイオン化を直接生成することはできず、それ故に、直接検出することもできません。つまり、中性子検出器は、入射中性子が原子核と相互作用して二次荷電粒子を生成する変換プロセスに依存する必要があります。これらの荷電粒子は、その後、直接検出され、それらから中性子の存在が推定されます。

ガンマおよびX線の検出

用途に対応した特定の検出器の種類選択は、対象となるX線またはガンマエネルギー範囲、その用途での分解能、および効率の要件によって異なります。